ああ――それから、ついでにだがね。
[むしろ、こちらのほうが重要かもしれないと、付け加える]
調べるためには、当然、その相手のサンプルが要るんだが――、
まさか、きみが寄生されていないか調べるから――などと頼むわけにもいくまい。
もしその相手が人狼だったなら、その日の内に死神が私の部屋の戸を叩くだろうからな。
となるとこっそり採取ということになるんだが――、
困ったことに、相手の同意を得ない遺伝情報の採取は、連邦の規制に引っ掛かる。
私は死ぬのも寄生されるのも御免だが、騒ぎのあとに取調べを受けたくもないのだ。
――ところで、いまは緊急事態だ。
責任者であるきみの"要請"があれば、おそらく話は別になるのだがなあ――、
[といって、ちらちらと、ソマリに視線を向ける。
つまるところ――違法行為の責任を引っ被れと、副音声で言っているに等しかった*]