[ 項垂れながら盗み見た瞳。
その瞳の中に心配と焦りの色が、読み取れたから。
理由もなく闇雲に怒っているわけではないと分かって、隠れてホッとした。
………むちゃくちゃに、怖かった、けれど。
人狼捕獲プログラム……今振り返れば、ぞっとする。
「ぼく、おとうさんと同じ警備員になるのが、夢なの」>>71
そう言ったゲオルグの言葉を思い出し、この人か、と思った。
こういう人に、なりたいのか、と。 ]
じゃあ、泣き虫なの治さないとね。
[ 言われたときは、揶揄うように告げた。
なれるよ、なんて無責任なことは、子供に対しても言えなかったし。
弱い子だとは思っていないし、優しい子だと思っていたから。
目指せば適うと、まさか前提が覆されるなんて、思ってもいなかったもので。
真っ赤に泣きはらした目を思い出して、くすくすと笑いながら、
その目元を擽るように触れたんだっけ。 ]