[文書に異議を唱えるという事は、即ち先王の遺志に反する事に繋がる。
が、その遺志が正しいとは思えない以上、此方は異議を唱えるしかない。
何かに堪える様な面持ちを見せる弟の顔>>85、その表情はびっしりと脳裏に焼き付く。
されど、此方は真剣に見詰め決して目を逸らそうとはしなかった。
父王が自分に王太子に指名しなかったのかを問う弟>>87。
それはまるで此方に選ばれない、と見越した様な発言に思え、眉根がピクリと動く。]
軍に帰属するが故にいつ何時に命を落とすのか分からない立場である。
候補者に並び立てなければ、途中で命を落とし候補者を失った時、何も知らない新たな候補者が傀儡されるのを防ぐ、という事はお前も知らぬ事では無かろう。
[まだ言葉は続く。]