喜ばしき再開じゃないけどね……
[ソマリによると、人を食い尽くしてしまうお客が紛れていて、どうにかしないといけないそうだ。とても忙しいらしく、ゆっくりと酒を飲むのは後回しになってしまった。]
そうか、残念とも言ってられないな。
はやく事態が収まるように俺もできることを協力するよ。
[話を聞いて、前向きな言葉をかけた。ようやく船内で何が起こったのか少し理解できようかとした。
ーーその時。
己の中にある、共鳴するもう一つの記憶が、忌まわしき言葉に反応する。今では俺の一部になった、良き友人の記憶。
その鼓動がひたすら暴走し、その度に断絶魔に似た響きとともに、雄叫びのような衝撃が走る。
…ぃ…………っ…ぃ………
頭がはちきれそうな衝撃に、しばらくは耐えることで精一杯だっただろうか。その後のソマリの声はほとんど耳に入ってこなかったが、辛うじて残る正気で右足のことだと理解すれば、手当てをお願いした。
苦しい表情と、冷や汗をかいていたなら、緊張と右足の痛みによるものだと誤魔化せただろうか。]