[巻き起こる神風と、その内に舞う花。水生木の理に依りてなされる消霧の陣。生じる木気の心地よさに目を細めたのは僅かな刹那]……そこかっ![朱雀が見据えるのは、先に楼閣の見えた方。今は視界の晴れたそこに感じ取るのは、強い陰気。ばさり、と響く羽ばたきの音と共に広がりしは、焔思わす朱の翼。煌く光を纏いしそれが大気を打ち、朱雀は天へと翔け、剣を翳す]