先ずは血に中らぬ体幹を作ることだ。 魔王様の選ばれる道は、決して易き道ではない。 それが叶えば―――…、[乾いた爪で軽く前髪を掻き上げれば、暫し逡巡。 彼女の爪は丸く、細く、硝子のように薄い。] 魔力の編み方を教えてやろう。 他に施すのではない、一点に向け、発するのだ。[魔法は余り得意ではないが、力の流れを追うくらいは難しくない。 彼女のように一目で知れる才があるなら尚のこと。]