…ああ、いや。 今のところは、我らが動員されるような災厄は発生していない。 その日のために備える時間が与えられているのは幸いだ。[努めて事務的に応対する。] まずは、おまえに、この世界やおれのことをもっとよく知ってもらう必要がある。 おまえの優れた性質を曲げるつもりはないが、おまえの善意がこちらの世界ではタブーである可能性を認識し、トラブルを避けるようにしてもらいたい。 同様に、おれもおまえを知りたいと願っている。 ── ついて来い。[端的に告げて、踵を返した。*]