……大馬鹿者め……!人々の笑顔を護る王になるのではなかったのか。皆を悲しませてどうする───![零れるものを押し留めることは出来ず、男は机に肘を突き項垂れたままに右手で目元を覆う。共に見た夢は潰え、想いだけが残された]…ロシェも、君を支えて行こうとしていた矢先だったと言うのに──[以前より交流のあった親友《とも》の弟。男と同じように、兄を支えるために護衛官になった青年。彼もまた親友《とも》に添い視察へと出ていたはずだ。目の当たりにしたのであれば、その衝撃は男の比ではないだろう]