[声自体は静かなものだ。 だが、エネルギー弾に肌を穿たれた痛みも 直ぐに消えてしまったかのように 表情から感情が抜け落ちていく。 怒っている、許さないと言いながらも 怒りというよりは無そのものの顔。 しゅ、と右腕を横に薙ぎ払えば、 手首から伸び生えた荊が鞭の如くしなり 彼の持つ銃を払い落とそうとする。 この男は。 この、男は。 ギリギリまでは人の姿で殺したくて。 心のどこかで諦めながらも、 後悔して欲しいと意味もないのに願っていた]*