― トラオムング格納庫 ―
[ 飛ぶ前に治療はしろと促されて、それもそうかと軍医の世話になることにする。さすがに応急手当で済ませられる傷の数ではなかった ]
『指揮官級の天使を倒したって?名誉の負傷だな』
『しっかり治療しとけよ』
[ 医務室に向かう途中で何人かに声をかけられる。もともとある程度親しかった者も多いが、今まで遠巻きにしていた兵達も大分、混ざっていた。
どうやら影の天使を倒したと伝わった事と、人並みに怪我をして戻った事で「天使憑き」の不気味さが大分薄れたらしい。思わぬ副産物だ。 ]
(ま、団結って点では、悪くないかね)
[ 戦闘機と違って、宇宙船は一人では飛ばせられない。各部署のチームワークが必要だ。舵取り役のパイロットが他から信用されていないままでは、不安が残るところだった ]