ここで、お前の顔を見るとは思わなかったよ、ヒトガタ。
[かつて獲った獲物から作られたもの。
魔将の元にいた時も、近寄る事は避けていたそれの落とした呟きに、は、と息を吐く]
命の礼を、命を持って返すため。
戦士の誇りに基づき、あたしはここにいる。
[この場にいる理由は多々あるが、それが大きいのは確かだからそう告げて]
……あたしは、アイリ・ファタリテート。
異界の魔戦士レオンハルトが娘にして、魔鎌アヴァーンガルデを継ぐ者、だ。
[宣するのは、己が名と在り方。
魔戦士の名を知る者がいれば何かしら、反応はあるかも知れないが。
それを顧みる事無く、娘は銀月の牙を具象しその手に握る。*]