律儀な奴だ。[チコリコーヒーというらしい飲み物を一口。約束など破る為にあるのに。などというひねくれた心情はこれで流し込もうか。] ……ふん。 悪くはないな。[この一言が狐としては充分な賛美と知る程近しく長いのは、商会の面々くらいだ。男セイレーンなどと称した彼とそうなることは、無いだろう。けれどこの再会は、永い命で期待を忘れ独りであった妖の心にはきっと残るものだ。*]