人狼物語−薔薇の下国

469 グラムワーグ・サーガ3 〜反撃の嚆矢〜


流離の勝負師 ディーク

[再会を喜ぶロー・シェンの率直な言葉に、脈がやけに早くなった。
もっと聞いていたいと望みながら、もういい、わかってる、と引き取ってしまう不器用さで、身体を起こす。

つい呻いてしまうほど、身体が重かった。
休みなく酷使し、ロー・シェンに負けず劣らずの満身創痍だからというのもあるだろう。
だが、一番の理由は、受肉する前の記憶を取り戻したせいだとわかっている。

立ち上がるのに、ロー・シェンの手を借りながら、ディークは苦笑した。]


 俺が人でなくても、おまえは平気なんだな。
 まるで、知ってたみたいだ。


[外見のせいで、とかく陰口に晒されてきたロー・シェンだから、あえて口にしなかったのかもしれない。
それでも、その変わらぬ態度が救いだった。]

(117) 2017/02/05(Sun) 16:53:44

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