― 天上宮 ―
[ 一行が天に帰り着いたのは、丁度、応龍の舞とローズマリーの歌に人々が酔いしれている頃だった。
遥か高みにて為された討伐の様子も、地上より任を果たして戻った者達の気配も、全ては、祭りの華やぎに紛れて、都は平穏の内に在る ]
ただいま、戻りました。
[ 引き連れた者達は、休息の後、祭りを楽しむように、と解散させ、玄武神は天帝へと事の次第を報告に上がる ]
事の元凶となった銅鏡は、千年以上前に地に現れた饕餮の影を呪の為に写し取ったもの。術を仕掛けた者は、呪いを成就する前に饕餮の影に自らが食われたようです。
[ 人の術で、影とはいえ四凶を制する事など叶う筈もない。
全てを食らう饕餮に、術者自身も食われ、その衝撃で銅鏡は砕けたのだと、実際に鏡に触れた玄武神には、その経緯が、つぶさに見えたのだった ]