[後方に炎の渦を噴きながら飛んだユーリエの足が、黒い頭をしたたかに揺らす。流れるように放たれる、虹の矢と全てを塗りつぶす白。空を舞う彼女の背に、翼が見えたような気がした。 ああ、終わりだな、と。 そう思ったから、武器を構えずに歩いて近寄っていく。傾く巨躯の方は見もせず、ユーリエが万が一にも落ちてくるようなら、受け止めてやろうか、と。]*