―回想:鍛錬場にて―
[師匠ディークの特訓に根をあげて
鍛錬場の隅で休憩しながら、
よく、カレルとディークの手合せを眺めていた。
自分より何倍も厳しい基礎メニューをこなした後なのに、
二人とも元気が有り余っているという風で、
木刀同士がぶつかり合う軽快な響きが、
放課後の鍛錬場をしばしば彩ったものだ]
おー、がんばれー! 兄弟子サマー!
[こういう時。
応援する先は大抵カレルだった。
兄弟子サマと呼ぶと集中が削がれる云々言われたこともあるが、
集中力を鍛えるのも大事だろとか何とか言い返して、
結局からかい半分で、よく声援を投げていた]