――ああ、副長。
どうなってるんですかね、あの命令は一体?
[電測室に現れた、上級士官の姿に安堵の色は隠せない]
……回収ですか?
手隙の要員に武装させて、短艇を出して調べさせては。
エンジンが生きてるなら、移乗して、持ってくることも出来るでしょう。
引き上げるのは、短艇の回収と同じ要領でやれるでしょう。
ただ、工作員の乗船なら、爆発物やなにかあるかもしれませんから、引き上げるならその辺を調べてからのが良いかと。
[とは、意見を述べておいた。
独創的というわけでもなく、士官なら大抵、同じようなことを考えるだろう程度のものだ]
ああ、アレ、届きましたか。
それなら、後で試しましょう。
[最後だけは、すこし表情を緩めて笑った]