― 『神魔の領域』・外周の森 ―
[翡翠と赤い石の花は、装束の腰帯に差し込んで。
低い問い掛けの声>>111に、逡巡したのは僅かな間。
隠れてやり過ごすのは自身の立場に相応しくないと、木陰から相手の前へ姿を現した]
私はグリュングレースの翡翠の巫女、神魔様にお仕えする者です。
この地に何の用ですか?
[まるで代表者のような口振りで、相手へ向け問い掛ける。
彼が腰の刀へ手を掛けたのを見れば、杖を構える手に僅か力が入る。
視線が胸ポケットに差された花を捉えれば眉根を寄せ瞬くが、今はそれには言及せず*]