[先に島に来た者達よりも遅れを取るわけには行かない。
静かな闘志がセルウィンの手を動かす。
野営訓練は何度も経験したおかげか、特に問題もなく終えられそうだ。
締めの作業を片付けながら、土を踏む足音に振り返る。>>113]
ええ、滞りなく。
何度か経験しましたから。
[これくらいは。と言う顔は言葉通り、余裕が見えるだろうか。
しかし、その次の問には少しばかり眉尻を下げて苦渋の色を示した。
ロープを土に埋めた杭に固く縛りつけると、ぱん、と音を立てて手袋についた汚れを叩き落とす。]
……実は、余り得意ではありませんね。
訓練生間の野営訓練でも、ご覧のとおり設営ばかりしていました。
教官は、缶詰と乾パン。どちらがお好きですか?
[にこ。と効果音が付かんばかりの笑みを向ける。]