― 回想/飛行船遭難後しばらく後 ―
君に言われるまでもなく、王府には、近々出向いてもらわねばならん。
[シメオンの願い>>77に、男は当然とばかりに頷いた。
あの日、結界の嵐を超えた客人が在った事は、既に中央にも情報として届いている。その幾人かを酔狂で知られるこの男が、自ら救助に赴き、屋敷に留め置いていることもだ。
漂着した者ばかりでなく、海上に落ちた者も出来るだけ救い上げようと、荒れた海に船を出した影響で当主も体調を崩している、という言い訳で、王府からの呼び出しを躱して来たが、それもそろそろ限界だった]
で、君の願い事というのは何だね?
[問い返せば、親善大使代理であるとの返事]