大莫迦者さ、本当はこの手で抱きしめたいって、
命を懸けてでも守ってやりたいって思っているのに。
彼女を守ろうと本当に思うなら、
自分が死んでしまえばいいことなんてわかっているのに。
彼女の微笑みや顔を見るたびに、
もう少しだけって引き伸ばして…引き伸ばして。
伸ばせば伸ばすだけ、彼女のことを"病気"が
不必要だと判断することなんかわかっているのに。
…嫌だったんだ。少しでもいいから一緒に居たかった。
ねえ、…莫迦な彼は
彼女のことが本当に好きだったんだよ。スノウ。
自分がいなくたって彼女さえ
幸せになってくれたらと、思っていたのにね。
本当は、彼女を護れる…
守ってくれそうな人間の影が
彼女の側に見えるたびに嫉妬していたんだよ。
自分は守ることが出来ないって誰よりよく知っている癖に。
彼女に"大好き"と言われて、
"大好き"と返すこともできなかった癖にさ。>>5:226