[あからさまに開けた空間は、ゼファーにも誘いが分かるものだろう。
そして、その利も不利も互いに分かっていることも。
その上でゼファーが乗らぬという手は選ばないのも、最初から分かり切っていた]
『盾兵、槍は斜めに受け流せ!
正面で構えればそのまま貫かれるぞ!』
『歩兵は味方の弓にも注意を払え!』
『騎馬兵構え、何時でも駆け出せる態勢を整えよ!』
[それぞれの長が配下に号を飛ばす、その中にゼファーの兵の檄も交ざりあって鉄と青銅がかち合う音、木が砕け人の倒れる音、様々な声が戦場の空気を作り出す。
そんな中、>>113一際大きな熱を発するその声は後方指揮を執るベリアンの元までも届く程の鋭さをもっていて]