[やがて、席を立つ。戻ってきて早々エルナにそっと声をかけてきたニコラスについていく形で。>>101なおも言い争うシモンとニコラスの声を聞きながら、その瞳は誰をも見ることなく、ふいに沸いた不吉な予感を映して揺れそうになっていた。こんな時に伝えられる話が、いいことばかりであるはずがない、と。そう――昨日のように**]