[展開にいた頃のエレオノーレといえば
他の天使たちと同じ白い装束を身に着けている姿が
記憶に残っている。
というよりも、あの光に満ちた世界で
黒やそれに近い色を見るほうが少なかった。
だからだろうか]
セレスは、黒も似合うんだな。
[天青も夜藍の色も、白い光の中でこそ
映えるものだと勝手に思っていた。
こんなにも、彼女の青が黒に映えるものだとは
思っていなくて、新鮮な気持ちになる]
……人生が変わる、か。
[大切だったあのひとを失って
信じたいと思ったエレオノーレを信じられなくて。
天界を去って、この身は魔のものと変わった。
これ以上変わるものなんて何もないと思っていたのに]
存外変わるものだな。
[天界にいた頃内心忌み嫌っていた自分の色を
悪くないものだと、彼女を見て思った。
目の前の彼女は確かに変わったが
それと同じくらい、自分も変われたのかもしれない]