― 会見まで ―
[『お会いになられる』との伝言を持ってきた
テオドール・バルディーニと会話を交わし、
会見は、街の人々が一旦落ち着いてからとなった。
日が落ち、夜が明け、一時の熱狂から覚めた住人は
街路の掃除などを始めている。
多くの避難民と、それを上回る同志や賛同者は
既に街を出ているため、街は普段より閑散としていた。
だが街の入り口にはバリケードが築かれ
残っている自警団が各所を見回っているせいで、
物々しい雰囲気にはなっている。
なんといっても、王府の軍が街のすぐ近くに布陣しているのだ。]