―少し前/帝国前進拠点・執務室外―
[カレルと視線が合った――と思ったのもつかの間、
直ぐに其れは外されてしまう>>6
いつもそうだった。
一時期は兄弟子とまで呼んだ仲なのに、
此方を避けていると暗に態度に示していて、
…だからどうしても足が躊躇を含んで止まる。
伝統を誇るブラオクヴェレ家は、
革新を掲げるロスチャイルド家とは
対立傾向にある>>0:812。
己は貴族ではない分、多少好き勝手しているが。
それでも手駒である以上、後見人の政敵に
不用意に親しげに近づくのは難しかった。
懐かしいあの日々は、やはりもう遠いのか――…*]