── 回想:ゲオルグと ──
[ 泣き止まない子供を抱きしめる。>>70
ホッと息を吐いたような気がしたから、子どもとろくに接したことのないナネッテにも、これでいいのだと、思えて。
落ち着くように背をさすり。
ぽんぽんと、撫でる。
それが、人狼だとバレていないことに対するものであるとは気づかないが。
放っておけなかったのは、
自らの裡に眠る赤い聲の受信機が、
発されない 透明なSOS を察知したからなのだろうか。
助けてくれと伸ばされた手を。
血に濡れ怯え、拒絶された子供の手を。>>3
殺されようとした、その手を。>>4
"掴んで"あげることは、出来なかったけれど。>>6>>13 ]