―― 回想・夜色の娘 ――[人が生を望むように、樹が天を目指すように、魔獣の本懐は玉座に侍ることにあった。粛々と頭を垂れるは、唯、一柱のみなれど。 彼の大望の為に研鑽を詰み、侵攻戦においては陣を布いた。 本能に等しい王への献身により、培う獣の武勇。 信仰を胸に抱いた少女が見たのも名声を築くうちの一幕か。>>80]