ん?
[ さて、どう動こうか、と考えるより先、かけられた声に振り向く>>99 ]
ああ...お前、迷子なのか。
[ 道を問う相手の言葉に、ふう、と紫煙を吐き出しながら零した言葉は、単に道に迷っているから、というだけではない意味を含んでいた ]
どこかの馬鹿共が、結界術かなにかを使ったらしいな。当分、外には出られんだろう。
[ 経験則と、予感のまま、そう告げて、会った事が無いかという言葉には、喉を鳴らすようにして笑った ]
お前、そういう台詞は不用意に吐くな。俺が紳士的な男じゃなかったら、主に再会する前に喰われても文句の言えないとこだぞ。
[ 揶揄するような言葉の端に、正解を滲ませ、更に忠告めいた言葉を投げるのは、数年前、獣神の信徒に目をつけられて追われている最中、偶然出逢った彼女の主たる琥珀の狐と一時共闘して、その連中を撃退した事があるのは、男も覚えていたからだ。
尤も、別れ際まで、ずっと黒虎の姿でいたから、アイリが、今の見た目から判別つかずとも無理はない ]