[アイリ・フォールデン。
この辺り一体を治める地元領主の娘。要塞の総督も家が代々継いできたものだろう。世間知らずのお嬢様が恐々と地位についているのかと思いきや、まるで独裁者気取り。
なんてわがままな女王サマなのかしら。
しかし、挑発的な態度もわたしを試しているのだろう。
そう分かっていたから、感情的にはならず、逆らわないでおいた。
衝撃に耐え、従順さを見せたら気に入られたのだろうか。
肩を突かれた後、彼女の手の下から現れたのは白狼が刻まれた徽章だ]
……この徽章に恥じぬよう、命を賭して励みます。
[そう言って、わたしは総督の部屋を辞した]