私は君が凡庸だとは思っていないよ。[男は敢えてそう言って笑い返した]君の周りには人が集まる。それとて才能の一つだ。[彼の立ち振る舞い、相手への態度、抱く思想には好感が持てる。故に男は隣国の徒でありながら彼を親友《とも》と呼び、万一があれば支えようと心に誓っていた]君ならば理想の王になれる。私が保証しよう。[そんな夢を語った夜。夢が潰えるとは露ほども思っていなかった頃の話**]