ーレストランへの道中ー
[2人と別れて暫く経っただろうか。レストランへ1人で向かっていると、反対側から男の人が歩いてきた。メガネをかけて髭を生やし、不潔な見た目に吊り合わない高貴なスーツとネクタイをしている、いかにも『立派な学者』の見た目をした男だ。]
「君は、若くて、大して知識も実績もないくせに、有識者ぶって総会に参加するのかい?」
[目も合わせてないのに、向こうから話しかけてくる。]
……うるさい、お前には関係のないことだ。
「ふん、ちょっと有名なのに目をつけられたからって、勘違いして威張ってる奴になんて出て欲しくないね。」
[男は嫌味を言うだけ言って、すぐに通り過ぎてしまった。……歳だけとって、嫌な奴だ。
偉い学者ってのは、あんなんじゃない。研究を必要としている人のために一生懸命向き合っている人が、本当に偉い学者なんだ。
ーー権威だけで金を稼いでいる学者に憎悪のおもいを巡らせながら再び道を進んでいくと、レストランらしき看板が見えた。]
あそこがそうかな。