>>98―茶会の間―[小さな兎から人の軆へ。白色から極彩へ。旧き同族の姿が変容し始めたのを見て、少女はぷいっと顔を背けた。普段の様子を知る者であれば、彼女には珍しい感情のなせるものだと気づくかもしれない。]残っておらぬのであろう。兎の記憶には。なれば妾も、忘れてしまったと。そう言うが互いの為であろ。そう言うが互いの為であろ。まずは犯した罪の対価を支払うのが先決じゃな。その後でまだ憶えておれば、教えるかもしれぬ、が。[それは即ち、“兎”が「参加者である」と周囲に伝える言葉。]