人狼物語−薔薇の下国

541 グラムワーグ・サーガ 5 〜呪歌、今まさに絶えんとする時


皇帝 ファミル

[二の轍は踏まないと言い切る姿に、僅かに眉が下がる。
あるいは、彼がもう少し早く生まれていたならば、"皇帝"も生まれていなかっただろうか。
今更考えても詮の無いことだが。]


 次に私がここに来た時、以前と同じ腑抜けた国になっていたなら、あざ笑ってやろう。


[踵を返した彼の背に投げたのは、あるいは激励であったのかもしれない。
手を振った後の言葉に、直接応える事は無く、]


 ――― 私にはこの先、行くべきところしかないよ。


[彼らが去る寸前、低い声で独り言のように呟いた。*]

(115) 2020/11/28(Sat) 00:35:03 (nekomichi)

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