[二の轍は踏まないと言い切る姿に、僅かに眉が下がる。あるいは、彼がもう少し早く生まれていたならば、"皇帝"も生まれていなかっただろうか。今更考えても詮の無いことだが。] 次に私がここに来た時、以前と同じ腑抜けた国になっていたなら、あざ笑ってやろう。[踵を返した彼の背に投げたのは、あるいは激励であったのかもしれない。手を振った後の言葉に、直接応える事は無く、] ――― 私にはこの先、行くべきところしかないよ。[彼らが去る寸前、低い声で独り言のように呟いた。*]