温室育ちの甘ちゃんに言ったところでわからないでしょうね。
[泥水を啜るように生きた事をと心の中で言いうため、
一瞬悲しげな眼をしたのは、ローレルは気づいただろうか?
が、近くまでこればそんなのはどこかへ消えている。
すぐに捕まえる距離になれば、追うスピードも緩めていた。
捕まえるより、ナイフを投げる方が早いと思い、新しいナイフを取り出していたが、警戒をしていたとはいえ思わぬ反撃。
そのために体当たりを食らえば、二人がもつれる様に他の4人がいる廊下へと姿を現すだろう]
――くっ…。
[息が詰まるようである。
それでも手にしたナイフは離さず、その背へと突き立てようとする。
チャンスはもうこれ以外ないだろうと思って]