[場所が悪かったのか傷痕からは血が勢いよく流れだし、それと共に急速に意識も遠のいていく。
よく話に聞く"走馬灯"という物も、私には見せてくれないらしい。
それでも、そのわずかな意識を集めて言葉を紡ぐ]
そ、う。大事、な、……
あな、た、には、、人狼には、分か、らない、でしょう、ね。
[そして、こちらから視線をそらす彼の背中を確認すれば。その無防備な所に、銀色のナイフを投げる。
ほとんど力も込められていないから、当たったところで致命傷には成り得ないだろうけれど。少しは――残された者が対抗するのには――意味があると信じて。
……ナイフが当たるかどうかを確認することも叶わず、意識は黒く塗りつぶされた]**