[そんなやり取りをしている内に、掃除用具室前の昆虫祭りは終わりを迎えたようだ。
食堂の方へと歩いてくるシェイとユーリエ、それからイェンスの姿を見て、はたと我に返る。
ぺこりと頭を下げたシェイへ、条件反射でぺこりと礼を返しながら、三人の様子を窺った。
何を話すのか、このまま盗み聞きしたい気持ちはあるが、シグルドの手前それも憚られる。
混ぜて下さいと彼らに加わるのも、状況的に不自然だ。
少し迷った末に彼らを見送り、廊下に残ったコンラートの方へ視線を移す。
――もし何か問題が発生するようなら、ユーリエに“赤い声”で聞けばいい]
コンラート、お元気そうで何よりです。
[そう青年へと声を掛け、彼の元へと歩み寄った]