― 緊急事態 ―
[すぐにではなかったように思う。
しかし突然、緊急事態を知らせる声>>#1が鳴り響いたかと思うと、突然、圧迫するような激しい衝撃と眩暈に襲われる。]
――エディ!こっちに来い!
[反射的に近くにいたであろうエディの腕を掴んで、自分の懐に引き寄せると、圧迫感と眩暈に逆らうことなく、テオドールはその場に蹲る。]
――っ、大丈夫か?
[圧迫感が引いて、目眩も徐々に治まってくる。
自分の腹の下に押し込んだであろうエディの上から退きながら、彼の様子を確認する。]
くそ、なにが起きてるんだ…。
[外から見た状況を確認しようとバイザーの耳当て部分に触れて操作するが、ザッピング音が流れるだけで、一向に金馬号と繋がる気配がない。
舌打ちをして繋がらない通信を切ると、胸の辺りに残る不快感に顔を顰める。
おそらくワープの類ではないか、とは思うけれど。
テオドールの中にワープに対するいい思い出はない。
無意識に左腕の義手を擦っていた。*]