― サクソー川/橋の北西あたり ―
[ 間断なく、追いすがるように、放たれる矢を、盾で防ぎ、槍や剣で振り払って進む ]
『ひゅー!やるもんだ』
[ すぐ背後についていた騎兵の一人が、落馬した兵の上を咄嗟に飛び越えた敵将の技>>66を見て、感心の声をあげたのに苦笑が零れる。
例え敵であっても、優れた乗り手を見れば賞賛の気持ちが湧くのが騎兵の性と言うものだ ]
まったく、さすがだな。
[ 声につられるように、その敵将を目にすれば、苦笑はどこか、柔らかな色に変わった ]
(やっぱり、彼だったか...)
[ 離れた場所から、そうではないかと思った相手。恩人でもある元軍医の養子だ。
出逢った時と比べれば、ずいぶんと逞しく、大人になったな、という印象を受けるが、その澄んだ瞳の色は変わらない ]