[精神的な均衡を欠いている状態での操縦は、いつもよりも乱れている。それでも離脱が叶ったのは、向こうも迷いを抱えていたから、と言えるだろう。もっとも、青年にはそれと認識する余裕はないのだけれど] ……っく……なんなん、です、か。[どうにか震えの取れてきた手で、操縦桿を握り直す。今は、味方との合流を優先しなくては、と。それだけを念じて、空を駆けた。*]