[目を開けてみます。
そこは、死んだかと思った温泉、まさにその場所でした。
さらには、不思議なことに気付きました。
おなかに開いたはずの穴が、ふさがっているのです。
身体から力が少し抜けて、疲れている感じこそ残ってはいましたが、もう、痛みは感じませんでした。
服は血にまみれて破れていて、残酷なのかセクシーなのか分からない、とローレルは場違いにも思いました。
もしかして、です。
このお城では、怪我がすぐに治ってしまうのでしょうか?]
――じゃあ、
[腕を怪我したおじさんも、怪我が治っているかもしれません!
ふらふらと、ローレルはおじさんの方へ近付いてゆきました。]