[差し伸べられた手と向けられる眼差しを、しばしの間、呆然と見上げる>>100この手は、何のためにあるのだろう。私を奈落に突き落とすため?――それとも] 信じても、……いいの?[渇く唇から零れるのは、無意味な言葉。リゼットが信じられないのは、本当は自分自身だというのに。一度、人を裏切った人間は、何度でも裏切る。生命惜しさに何度でも、同じことを繰り返すのだ] ――……。[それなのに嘘吐きの少女は、誠実な手に縋る。助けてと――それだけは口にはしないのは、彼女の小さな罪悪感]