[真上に打ち上げられた矢は、中天で何条も分かれ、流星雨となって周囲の町並みに降り注ぐ。石壁を抉り、木戸をぶち割り、地面を穿って。ひとつひとつの威力は、精々が岩塊を罅を入らせるくらいだが、木造であれば粉々に砕けたろう。ましてや人の体なら。] お前たちに安地なぞ何処にもないぞ! 無為に屍を晒したくなくば、死地に命を拾うがいい!![そこここから湧き立った悲鳴の波を掻き消すように朗々と宣言した。]