[鳥かごを抜け出して、小鳥が飛んで行った飛んでいった広く高い空ではなく、少女の視点は一点に注がれていた。すっかりと冷たい雪に覆われた地面のある一点に。少女は雪の上に膝をつく。] (――冷たい)[少女は両手を使って雪を掬った。可哀想に、少女のちっちゃな手のひらは直ぐに真っ赤になった。**]