私も、タイガのように戦うことはできません。
貴女のように、癒す術もありません。
私は、御領主…魔王様の力になれていないと思いますか?
[タイガが彼女の願いになんと答えたかまでは見ていなかったけれど、彼女の切なる願いの危うさだけはずっと残っていて。
皆が同じである必要は無いのだと含んだ問いかけは、彼女には伝わったか。
もっとも、伝わっていなくてもそれ以上の言葉は重ねなかった。
異質であるが故に流離ってきた私には、彼女がいずれ自身の異質に気付いたら、という懸念がどうしても拭えなくて。
少しでも人の世界のものに触れておいた方がいいのでは、という狙いは達成できていたから**]