[ほんの少しだけ、首を後ろへと傾ける。
……斜め後ろの生徒の姿は見えた。しかし天倉の所までは
届かない。]
……悪ィ、ちょっとしおりに抜けがあったみたい。
ちょーっと聞いて来るわー。
[クラスメイトに一言断りを居れ、席を立つ。
走行中はなるだけ歩き回らないようにとは言われているが、
このままでは埒が明かない。長時間離れる訳ではないのだからと
ひらり手を振って歩き出す。]
[途中、通りすがりに耳を付いた、何事か良からぬ出来事でも
あったか鋭い叫び声。>>110多くの視線の集中というオマケ付き。]
……えーっと、だいじょぶ?
[何か変な虫でも居たのだろうかと思い、少し目線は右左。
見えない何かが確かなものとして近くに在る、その事実は
知らなくともだ。]