ありがとう、は。
…それは私の台詞よ。
[>>110泣き出してしまった彼女の目元を、長い爪で傷付けることがないようにそっと拭い、パチン、と静かに指を鳴らす。
生まれたてで制御出来なかったエネルギーは、彼女に少し触れたことで落ち着き、幾分コントロールできるようになっていた。
桜の花びらから成した薄いハンカチを彼女に手渡し、
>>111問われれば、瞳が揺らいだ。
ここは一体どこなのだろうか。
彼女を巻き込んでしまった事の重大さに気付いても、時は既に遅く。
「何故」と問いかけられれば、繕うことなく素直に、そのままの気持ちを告げた]
…貴女の温もりが、貴女の優しさが、貴女の笑顔が。
どうしても忘れられなかったから。
妹みたいに可愛くて、愛おしい存在。それが、貴女。
…私にとって、彼と同じくらいに――
――…貴女は、私の大事な人だから。