これは、僕の見立てでは、『聖遺物』と呼ばれる物に近いと思う。
[早すぎる結論に彼女は驚くかもしれない。
それでも、続ける。]
古来から不思議な力を持つとされる物は多くあった。
パワーストーンや、聖水、この図書館にある本なんかもそうだね。
その一つに杖というものもある。
杖は持ち主の能力を引き出すものだね。
大いなる護りだ。
見る度に何かの感情が沸き上がるとしたら、これは君が何かに授けられた物なんだろう。
心当たりはない、でも大事なものだと分かる。
そういったものならば、もう人知の域ではない。それは神の領域だよ。