[明らかに事態は敗色が濃い。だからこそ、後方、第一小隊と戦う残存兵に挟撃の憂き目を見るわけにはいかない。せめて士気だけはと鼓舞した言葉は、どれだけの効果があったか。だがレナト大尉による撤退指示を受けるまで――もしくは伝令が、北よりさらなる重要な事件を混戦の舞台に伝えるまで、剣を振るい続けたろう*]