[ 北から仕掛けるチャールズの動きを知っていたわけではないから、連携をとったわけではなかった。ただ、潮目を読んで、動く。風は湿気を孕んでいる。雨になる可能性も高かった。今しか、なかろう。タイガと騎馬隊《五月》がクリフを目指す。歩兵隊も歓呼の声をあげて、それを援護すべく奮戦した。同じ頃、投石が精度を増しはじめた西方では、短い時間にありったけの矢を叩き込んだ《双六》と《氷雨》が戦場の区域外へと撤退を開始する。煙幕代わりに、連弩には火がかけられた。**]